話題のメタボリック症候群を予防、改善し、老化も防ぐ
神奈川歯科大学名誉教授 いとうクリニック院長 伊藤 春生
半数以上の血圧、血糖値が下がった
2006年は、「メタボリック症候群」という言葉が大きな話題となり、広く知られることに
なりました。メタボリック症候群は、別名、内臓脂肪症候群ともいいます。
今、41歳以上の日本人男性のうち、二人に一人が、内臓脂肪症候群か、その予備軍の疑いがあるといわれています。
内臓脂肪症候群とは、内臓脂肪の蓄積に加え、高血圧、高血糖(血液中の糖分量を示す血糖値が高い状態)、
高脂血症(コレステロール値や肥満の原因となる中性脂肪値が高い状態)といった危険因子が、二つ以上重なった状態をいいます。
一つだけ当てはまると、内臓脂肪症候群の予備軍です。
近年、内臓脂肪がふえると、血圧や血糖値を改善する善玉ホルモンのアディポネクチンの分
泌が減ることが判明しました。
つまり、内臓脂肪が多い人は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を招きやすくなるのです。
血糖値が高いと、糖化されたSOD(病気や老化を招く活性酸素の除去を助ける物質)
やたんぱく質の集合体が、血栓(血の塊)を作り、動脈硬化を誘発します。
また、高血圧の場合は、血圧を上げるアンジオテンシンという物質が、
酸化ストレス(活性酸素が過剰に発生すること)の刺激によって、
血管に炎症を起こす物質の産生を促し、動脈硬化を誘発します。
さらに、高脂血症であれば、
酸化ストレスで酸化LDL(酸化した悪玉コレステロール)がたくさんでき、
プラーク(血管壁が隆起した状態)が形成されることで、動脈硬化を促進するのです。
内臓脂肪症候群をほうっておくと、動脈硬化を促進し、
血管が詰まって起こる心筋梗塞や脳卒中などを招きやすくなります。
たとえ危険因子の一つ一つが軽度なものでも、それらが複数重なることで、
発症リスクは3~10倍にも高まるのです。
そこで、今注目を集めているのが、パン酵母から抽出されたベータ1・3Dグルカンです。
このベータ1・3Dグルカンには、血糖値の上昇をおさえる作用が確認されています。
実際に、27人を対象にベータ1・3Dグルカンを八週間、摂取してもらいました。
そうしてまず、摂取前と摂取後の血糖値を比較したところ、
4週間後でおよそ30%、8週間後には半数の人に血糖値の低下が認められました。
また、血庄では、4週間後でほぼ半数の五二%、
4週間後には63%の人の血圧が下がっていることが確認されています。
同様に、総コレステロール値においても、
4週間で半数の人の総コレステロール値が低下しました。
こうした働きが、内臓脂肪症候群の急増にブレーキをかけ、
健康の増進、寿命の延長に貢献すると考えられます。
抗ガンなどの副作用が軽減!
近年、免疫力(病原菌や異物を排除して体を守る力)を高め病気を克服しようという
「免疫療法」 がさかんに行われています。
病院の治療だけでなく、日常生活の中でも、
体の免疫力を高めようと、さまざまな動きが広がっています。
なかでも有効な免疫療法の一つが、
免疫力を維持・強化する免疫賦活物質を摂取するという方法です。
パン酵母から抽出される純粋なべ一夕1・3Dグルカンに、
ガン細胞を自滅(アポトーシス)に導く抗腫癌作用があることが、
世界の研究機関のデータや論文で証明されています。
また、免疫細胞(免疫力を担う細胞)を活性化する働きも認められています。
ベータ1・3Dグルカンは、
ガンなどの異常な細胞を攻撃するキラーT細胞をはじめ、
マクロファージやNK細胞など、
さまざまな免疫細胞を活作化し、
病原菌や異物への攻撃力を高めるのです。
実際、ベータ1・3Dグルカンを摂取しているガン患者の多くが、
抗ガン剤や放射線治療による副作用が軽減、抑制されたと実感しています。
さらに、ベータ1・3Dグルカンには、
活性酸素を除去する強い抗酸化作用があり、
老化防止にも効果を発揮します。
コラーゲン(繊維状のたんぱく質)の生成を促す働きもありますから、
皮膚の早期修復に役立ち、肌のアンチエイジング(抗老化)効果も期待できるわけです。
パン酵母から抽出されるベータ1・3Dグルカンの成分は、
最新の技術で高純度化(80%以上)、超微粒子化され、
より確実な品質と安全性を得ることができます。
最近では、カプセル状のもののほかに、タブレットタイプも開発されたようです。
これによって、より手軽にとることができるようになったといえるでしょう。